コロナ禍でのがん治療とワクチン接種のQ&Aを専門医が徹底回答

コロナに感染したら今やっているがん治療を継続できるのか ?

ワクチン接種は ?

コロナ感染病棟がある病院が本当に安全なのか ?

ハートネットTVより






日本臨床腫瘍学会 寺島毅先生のお話です

がんと新型コロナに関して医療者や患者向けの情報を発信されています。



新型コロナウイルス感染の重症化率

がん患者 7.6%

基礎疾患の無い人 1.4%

特にリスクが高いとされるがん種 「肺がん・血液がん」

コロナに感染したら今やっているがん治療を継続できる ?




・がん患者は感染しやすいのか ?

データが少なくて結論は出ていませんが論文などは多く出ているので今後あきらかになってくるでしょう

基本的な感染対策をしっかりすることが大切


・感染したらがんの治療はどうなる ?

治療中に感染したらがんの治療は延期、中止が望ましい

まずコロナの治療に専念することが大事



理由

1 がんの治療がコロナの治療に影響を及ぼすリスクがあるから

2 感染を広げてしまうリスクがあるので病院で受ける放射線治療や点滴治療などは難しくなる

濃厚接触者でもあっても治療は一旦お休みになります

例外

内服薬で副作用がそれほど強くなく自宅でも治療が継続できる場合はお休みしなくても良いかもしれません

病状や治療内容を踏まえて主治医と相談することが大切です





がん研有明病院 佐野武病院長のお話です

2020年12月にコロナの専用病棟を開設してがんの治療と並行して行っています


がん患者としては治療の中断は怖いという思いがあります

がんはゆっくりと腰を据えて治療していく必要がありますが

コロナは急性の感染症ですから2週間ほどで治ってしまいます

まずコロナを治してから落ち着いてがんの治療に戻ることが必要

早く手術が必要な場合は状況を見極めて判断することが大切


どうする ? ワクチン接種


寺島先生のお話です


・がんの治療中でも受けた方がよいのか ?

発症や重症化の予防として前向きに検討してほしい

がん患者さんはコロナの発症リスクが高いので

優先接種者に含まれているそうです


検査やがん治療の継続

コロナに感染してしまうとがん治療が中止となってしまうので

感染さえしなければ治療もスムーズに進むメリットがあります


・副反応のリスクが高いのではないか ?

臨床試験は一般の健康な人が対象になっているので

がん患者さんに同じように有効性が出るのか、

副反応がどの程度出るかと言うのはわかってはいません

海外での報告ではほぼ同等の有効性が得られると

副反応もがん患者さんだから大きく出るという事は今の所言われていません


がんの治療中はワクチンを打つタイミンを工夫することが大切

骨髄機能が抑制されている時期、白血球や血小板が減少している時期は避けた方が副反応や有効性が減ってしまうという事もより少なくすみます


避けた方が良いワクチン接種のタイミング

・抗がん剤投与の2~3日前

ワクチンの接種日~2、3日は高熱が出たり、倦怠感が強くなります

予定している抗がん剤のスケジュールが伸びたりすることは避けたい


・抗がん剤投与日

吐き気止めにステロイドがはいっている場合があります

それによって抗体が付きにくくなる事は避けたい


・抗がん剤による骨髄抑制の時期、血小板減少期

抗体が付きづらいと言う可能性があります

筋肉注射なので出血が多くなってしまう可能性があります


手術の前は1週間あけてその前に受けた方が良い

手術によっても発熱することがあるので

どちらの熱かわかりずらくなるので1週間あけると安心できます

手術後は退院して体調の良い時に接種すればよい


放射線治療中の方は

可能であれば翌日照射のない日に受ける

注射する部位については担当医に相談する

乳がんなどリンパ節などが治療に含まれていることがありますので

治療している反対側の腕に打った方が良い


ワクチンについての最新情報は、日本臨床腫瘍学会HPの新型コロナウイルス感染症とがん診療についてQ&Aワクチン編で見られます。






通院など日常の感染リスクは ?

コロナの感染病棟がある病院が本当に安全なのか ?

重症化のリスクがあるがん患者としては心配ですね


がん研有明病院感染症科 羽山ブライアン副医長のお話です


通勤について

東京メトロなどでデータを出していて

ほとんどの電車が窓を開けているという事と

空調によって相当な換気回数が得られるという事が示されているようです

電車内の換気は良く、みなさんマスクをしていて

マスクを外した会話が一切起こらない場合は

感染は起こらないのかもしれないようです

一般的な感染対策(マスクで鼻と口を覆う、こまめな手洗い)を

とっていればリスクは軽減されます



感染リスクが高まる5つの場面

1 飲酒を伴う親睦会など

2 大人数や長時間の飲食

3 マスク無しでの会話

4 狭い空間での共同生活

5 職場では感染対策がしてあっても休憩室などの対策が十分でない


佐野先生のお話です

どの病院でもしっかりとした感染対策はしているので恐れなくても良い

入院患者さんはお見舞いの人の制限があるからさみしいかもしれませんね


がん治療中の方は主治医とのコミュニケーションを

しっかりととっておくことが大切だそうです


☺がん治療中だと心配も大きくなりますね

だからと言ってワクチンを打つ判断をするのも難しい気がします

私なら治療中であればコロナワクチンは絶対打たないかも?!



コロナワクチン接種するか ? しないか ? よく考えないといけないようです


去年の3月4月(4月16日に1回目の緊急事態宣言が出されました)と

コロナの感染が広がっている時期に

放射線治療に平日毎日通っていましたけど不安は無かったです


1年後の4月25日には3回目の緊急事態宣言が出ます

変異ウイルスが蔓延していて

1年前とは感染力も違ってきているし

病床もひっ迫状態ですから状況が違うから判断が難しいのかも


今、コロナでがん患者さんが診てもらえない、入院待ち、手術待ちの人達が多くいるのだそうです

同じ命なのにコロナ患者優先になっている現実があると、手術待ちのがん患者さんが仰っていました。待っている間に腫瘍が大きくなり手術ができなくなるかもしれない、という不安を抱えているのです

高齢の大腸がんの患者さんは緩和ケア病棟に入る意志を示したのですが、病棟自体が無くなりコロナ専用になってしまっていたのです

末期と思われる子宮頸がんの患者さんはようやく入院できたのですが、家族は面会も出来ず、医師からは何の説明もないのだとか・・・

なんとも切なくなるお話です・・・

自分がその立場になったらと思うと怖いです



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