冬よりも夏の暑い時期に起こりやすい脳の血管が詰まってしまう怖い病気「脳梗塞」
年間死亡者数は6万2千人(H28年)
自分でも気がつかない内に起こっている「隠れ脳梗塞」についてのお話です
健康カプセル! ゲンキの時間より
実は怖い 隠れ脳梗塞
埼玉県狭山市 埼玉石心会病院 近藤竜史医学博士のお話です
「隠れ脳梗塞」とはまったく症状が現れない脳梗塞
無症候性脳梗塞と呼ばれます
脳梗塞の種類は3つあります
・ アテローム血栓性脳梗塞
太い血管が動脈硬化によって詰まります
・ 心原性脳塞栓症
心臓にできた血栓が脳に流れて太い血管に詰まります
上記2つは脳の細胞が壊死してしまい最悪命を落とす危険があるのです
・ ラクナ梗塞
脳の細い血管が動脈硬化によって狭くなり詰まっていしまうもの
範囲によっては小さくて症状が現れない隠れ脳梗塞と呼ばれます
元気チャレンジャーの方の脳をMRIで検査
60歳女性
1つの小さな脳梗塞がありました
細い血管が端っこで老化して詰まって血が行かなくなって
細胞が死んでいて白く映し出されていました
場所的に何も症状が出ない所だったので症状が出なかったのですね
今すぐ治療する必要はないそうです
71歳男性
数カ所に隠れ脳梗塞が散在しています
要注意ではありますが年相応だそうで心配はないそうです
60歳男性
数えきれないほどの隠れ脳梗塞がありました・・・
ご本人さんはなんの自覚症状もないと仰っています^^;
1つの脳梗塞は少しずれていれば手足にまひが出る場所のようです
今後症状を出す脳梗塞を起こすリスクはかなり高いそうです>_<
隠れ脳梗塞の原因は ?
細い血管が人よりも老化してしまうような生活習慣をしているからだそうです
暴飲暴食 過度の飲酒 喫煙 高コレステロール 味の濃い食事
血圧130~150と高め 細い血管は血圧が影響されるようです
生活習慣を改善しないで放置すれば大きな脳梗塞を発症する危険性が高くなります
血管認知症
隠れ脳梗塞が多数ある場合に発症してしまいます
細い血管があちこち詰まる事で脳細胞に必要な酸素や栄養が運ばれなくなり
脳の活動が悪化するのです
夏に増える脳梗塞
夏は暑さが原因で体の中は脱水状態に
すると体内の血液の流れが悪くなって脳梗塞を発症しやすくなるのです
脱水と血液の関係を検証
元気チャレンジャーは検証前500mLの水を飲み快適な環境で過ごします
血液を採取して状態をみます
検証1 飲酒前と後
飲酒前 血液は赤血球はよく流れていました
飲酒後 赤血球が重なりかなり、動きが悪くなり流れがかなり悪くなっていました
飲酒後は脱水になっているんだそうです
脱水は血液の濃度が上がるため赤血球同士が繋がってしまうようです
血液の濃度が高い ⇒ 血管が詰まりやすい
アルコールを飲むと脱水するのは利尿作用があるからのようです
お酒(ビール)1Lを飲むと体内の1.1Lの尿がでるそうです
汗をかいて1杯のピールなどは体にとっては最悪の事のようです^^
検証2 就寝前と起床後
就寝前 赤血球は1つずつはっきりしていて流れも良い状態です
室温26℃の快適な空間で6時間就寝します
起床時 丸い赤血球がつぶれたような形になって数多く連なり流れが悪くなっています>_<
連銭形成 赤血球が連結する状態 脱水状態の指標になります
快適な環境で眠ったはずなのに体はかなりの脱水状態となっていました
何もせず平熱で眠っていても1日500~700ccの水が抜けていくそうです
夏だとそれ以上に水分を失っているかもしれません
脳梗塞で搬送される患者は夜中から朝方の時間帯がもっとも多いデータもあるそうです
夜寝る前はコップ1杯の水分補給をして脳梗塞をよぼうしましょう!
水分補給のポイント
喉が渇く前に水分は小まめに摂る事が大切なので
生活サイクルの中で飲むタイミングを決めて
飲む癖をつけるようにするとよいそうです
一度にたくさん飲むよりは1時間間隔で100ccずつ摂取する方が有効のようです^^
一過性脳虚血発作
一時的に脳の血流が悪くなって症状がでて24時間以内に消えてしまいます
特徴
症状が突然起こり一時的ですぐに治まる
身体の片側に起こる
・ 片側の手足や顔のまひ
・ 片側の手足のしびれ 感覚が鈍い
・ ろれつが回らない 言葉が出にくい
・ 片方の目が見えにくい
すみやかに診察を受けてその後の脳梗塞の発症を防ぐ必要があります
発作後放置していたら90日以内の大きな脳梗塞の発生率は15~20%もあるというデータもあります
脳梗塞で倒れた場合
すみやかに119番に連絡します
血栓溶解剤(t-PA)
発症後4時間半以内であれば血栓を溶かしてくれて血流を再開可能となります
血管回収療法
太い血管が詰まっている場合は脳の血管にカテーテルを挿入して血栓を引き出します
処置が早いほど重症度を減らして社会復帰の可能性を増すことが出来ます
処置が遅れてしまうと後遺症が残ってしまいます
まひ 言語障害 寝たきりなどがあります
脳梗塞で脳の神経細胞が死んでしまうと再生不可能なのですが・・・
奇跡の再生医療
兵庫県神戸市 先端医療研究センター 田口明彦医学博士のお話です
「一度死んでしまった脳細胞でも再生可能」
9年前、重い後遺症から回復した方(当時68歳男性)がいらっしゃいます
大きな脳梗塞の1つの心原性脳梗塞を発症
脳梗塞の範囲が広くて重症で寝たきりで
立つことも自由に動けない状態
その後左半身がまひとなり動かなくなってしまい
一生寝たきりの可能性が高かったそうですが
再生医療の治療を受ける事を決意したのです
治療から1か月後男性は歩けるようになったのです
半年後にはつえがなくても歩けるようになり
階段も上り下りが出来るようになりました
再生医療とは
脳梗塞でダメージを受けた神経の周りには
再び神経を元に戻そうと神経の元になる細胞が現れる事がわかっています
しかしその細胞には血液が行き届かないため新しい神経になる前に消えてしまうそうです
着目
脳の血管再生 ⇒ 神経細胞が再生
患者さんから骨髄液を取り出して造血幹細胞を抜き出します
造血幹細胞とは
血液を作ったり血管を再生する細胞です
造血幹細胞を脳に送って 脳の血管を再生 ⇒ 脳神経細胞も再生となるのですね
治療を受けた男性(77歳)は
最近身体が元に戻ってきたという自覚があるそうです
以前は風が顔に当たったとき右と左では感じ方が違ったそうですが
最近では感じ方が同じようになってきたそうです
左まひの足でしたが両足でつま先立ちができたりと
左足に力がよみがえってきたそうです^^
脳梗塞発症から10日以内に行わないと改善はみられないようですし
まだまだ研究の段階ではあるそうです
ひとりでも重い後遺症にならないような治療法が見つかればと思います
まずならない様に生活習慣を見直して水分補給を忘れずにして予防が第一ですね!