梅雨の時期の体調不良の原因
梅雨の湿気が身体を蝕む! 湿邪ってなんじゃ?
健康カプセル! ゲンキの時間より
湿邪
東京有明医療大学 川嶋 朗 医学博士のお話です
東洋医学では広く知られた病名で湿度の高い梅雨独特のものです
頭痛 肩こり むくみ めまい 下痢 関節痛 食欲不振
などの全身症状を引き起こします
湿邪とは ?
東洋医学ではすべてのものが気からできているという根本的な考えがあります
東洋医学の別名は気の医学
気とはこの世のすべてを構成するエネルギーのようなもので
健康を大きな左右すると考えられています
暑さにやられることを暑気あたりといいますよね
今の時期では湿気が身体の中に入ってきて悪さをする状況が湿邪というのです
1年の気候変化 六気(りっき)
風(ふう) 暑(しょ) 湿(しつ) 燥(そう) 火(か) 寒(かん)
春の風が身体に悪影響及ぼした場合は 風邪(ふうじゃ) かぜのことですね
六気の変化が過剰になると健康を害する邪気となって身体に入り込み様々な不調を起こすと考えられています
梅雨の時期は過剰になった湿気が邪気となり湿邪となってしまうのですね
湿度が高いと何故湿邪になってしまうの ?
汗のかき方を見るとわかるそうなので実験です
20代男性ゲンキチャレンジャー
実験
気温と湿度が調整できる部屋に異なる環境で2回入ります
1回目 気温28度 湿度40% 夏のカラッとした日を再現
2回目 気温28度 湿度90% 梅雨のジメジメした日を再現
医師立会いの元 各部屋で1時間ステップ運動をし汗のかき方に差があるのか検証します
1 夏のカラッとした環境
10分経過 身体がぽかぽか 30分経過 顔や体から汗が流れ始めました
そんなに暑さを感じず気持ちよく出来たようです
経口補水液で水分補給して1時間の休憩をします
2 梅雨のジメジメした環境
開始から5分で暑く感じる
開始から10分で汗だくに
開始から20分汗が滝のように
かいた汗の量(検証前後の体重の変化)
1 の場合 529g 595g
2 の場合 462g 398g
違うチャレンジャー2人で1の部屋と2の部屋の順番を入れ替えて検証した結果も
湿度が高い時のほうが汗の量が少なくなっていたのです
愛知医科大学 犬飼洋子医学博士のお話です
湿度が低いとかいた汗は肉眼で見えない内に蒸発しているのです
湿度が高いとかいた汗は蒸発できずに皮膚の上に留まっているのです
汗が蒸発しないと皮膚がふやけてしまい汗の出口(汗孔かんこう)が閉じて汗がだんだんと出なくなってしまうのです
汗は蒸発する時の気化熱で体温を下げるという重要な役目があります
湿度が高いと 汗の量がすくなくなって 体内に熱がこもってしまいます
検証前後の4人の深部体温を計測すると
湿度の高い部屋で運動を行った時全員深部体温は高くなっていました
体内に熱がこもると自律神経の乱れが起こって
頭痛 肩こり むくみ めまい 下痢 関節痛 食欲不振
免疫力の低下まで引き起こしてしまうそうです
梅雨にはもう1つ自律神経の乱れを起こす原因があります
低気圧
低気圧は空気中の酸素が微妙に少ないそうです
少ない酸素でも体が対応できるように過度に副交感神経を優位にさせてしまい
リラックスを通り超えてだるくなったりやる気が無くなってしまうようになってしまうのです
私 その真っ只中です なーーんもやる気起こらず^^;
年中とちゃうんかと言われたら 返す言葉はないかもしれませんが・・・(笑)
梅雨の不調を吹き飛ばす方法
身体の除湿?!
人の身体にも除湿のスイッチが備わっているんだそうです
東洋医学にあるツボが
身体に溜まった湿度を取り除くだけではなくて
自律神経のバランスも整えてくれるのです
除湿ツボ 湧泉(ゆうせん) 活力アップ
土踏まずのやや上 指を曲げたときにくぼむ場所
気持ちいいくらいの強さで朝晩2回
左右それぞれ5~10回押すのが目安です
三陰交(さんいんこう) 血のめぐりを改善
更年期トラブルを整えてくれる女性にとっては万能ツボのようです
内くるぶしの突起上から指幅4本分上骨のやや後ろ
気持ちいいくらいの強さで朝晩2回
左右それぞれ5~10回押すのが目安です
指でなくてもドライヤーを近づけて離すだけでもよいそうです
ドライヤーを使う場合は肌から適度に離して火傷には注意が必要です
汗を作る機能
梅雨時
身体を暑さに徐々に慣れさせることで高まります
外気に触れる 軽い運動をする お風呂にゆっくり浸かるなど
日頃から汗をかきやすく身体にしておくことが大切なようです
汗をかいた時の注意点
エアコンの使い方
汗をかいた状態で冷房の効いた部屋に入ってしまうと汗は一気に蒸発しまい
体温が急激に奪われて下痢や冷えなどの体調不良に繋がってしまいます
汗をかいたら小まめにふき取ること心がけましょう^^
免疫力の低下で起きる病気
昭和大学病院 呼吸器内科 相良博典教授のお話です
東アジア特有の病気が湿邪になる人が増える6月(6月~9月)を境に一気に増加するのです
肺の組織が壊れてしまい呼吸不全となって死亡に至るケースもあるようです
あるケース
6月初旬 発熱 咳 の異変を感じかかりつけの病院で風邪薬を処方されるが
完全に治らず何度もぶり返したのです
原因不明のまま発症から2か月症状は悪化
少し動くだけで息苦しくなってしまう
精密検査を受け判明したのは 夏型過敏性肺炎
原因は カビ
梅雨の時期に激増するトリコスポロンというカビの一種が原因で夏型過敏性肺炎は起こるのです
家庭内のあらゆる場所に存在するカビです
知らぬ間に胞子を吸い込むことで咳などのアレルギー反応が起きるのです
誰にでも発症する可能性があります
湿邪などによって免疫力が低下していると
免疫細胞はアレルギー反応に対抗する抗体をコントロールできなくなり
発症リスクが高まるのです
風邪と似ているので症状が何度も繰り返される場合は検査したほうが良いそうです
発症させないためには 掃除! !
カビが繁殖しやすい場所の水回りやエアコンなどは念入りに! !
梅雨は抜け毛が増える季節
私のクリニック院長 平田雅子医学博士のお話です
原因
マラセチアというカビ
マラセチアは皮膚に住み着く常在真菌ですべての人が保有しています
湿気を好んで皮脂をエサにしているので梅雨に増殖しやすいのです
頭皮でマラセチアが増殖して炎症を起こす脂漏性皮膚炎となり
かゆみやフケ、抜け毛の原因になってしまうのです
対策
頭皮を清潔に保ち皮脂を適度に洗い流すようにしましょう
ただし洗いすぎは禁物 洗いすぎると皮膚のバリア機能が落ちてしまい
皮脂を過剰分泌させてしまう事があります
髪はドライヤーでしっかり乾かしましょう
温風で7割程度乾かして 残りの3割を冷風で乾かします
そうすると頭皮の温度が下がりマラセチアの増殖やかゆみを抑えられるようです
追記・マラセチア
最近耳の中に繁殖することが多いそうです
スマホなどのイヤホンが原因のようです
清潔にしておいた方がいいかもしれませんね
♥マラセチアは犬の耳によく繁殖するのですが
人の耳にも繁殖するんですね 知りませんでした^^;