唾液はウイルスや細菌から私たちの身体を守る第1の砦で大切なものなのです。
唾液の量を増やして、質を高める事で感染症予防や生活習慣病、
認知症予防等にも繋がっていくのです。
健康カプセル!ゲンキの時間
神奈川歯科大学大学院 歯学研究科 槻木恵一歯学博士のお話です。
唾液力
唾液が出るのは舌下腺・顎下腺・耳下腺の3か所です
耳下腺には主に消化を助ける唾液が多く
舌下腺と顎下腺には粘膜や咽頭部を守る成分が多いそうです。
唾液は血液をもとに作られているそうです
唾液の主な働き
・浄化作用(歯垢や口内を洗う)
・歯の再石灰化作用(ごく初期の虫歯を修復)
・緩衝作用(口の中を中性に保ち虫歯の予防)
・消化作用(消化を助ける)
唾液中のlgA(抗体)がウイルスや細菌などを撃退してくれて感染症から守ってくれています。
唾液力を発揮させるには量と質が重要となるのです
唾液の量
唾液の1日の分泌量は多い人で1~1.5L
ストレスや緊張で交感神経が優位になると唾液量が減少
唾液が少なくなると口の中の細菌が増えやすくなってニオイの元になります
口臭は唾液の量と密接に関係しているのです
♦唾液量のセルフチェック
1 食事時に味噌汁やお茶で食べ物を流し込む
2 食べ物の味を感じにくい
3 口の中がネバついたりパサついたりする
4 口内炎ができやすい
5 歯磨きをしているのに虫歯が多い
3つ以上当てはまると唾液量が少なくなっている可能性ありなので要注意!
・唾液量が減る原因
ストレス、加齢、生活習慣、持病などが考えられます
中でも加齢による影響は大きく
年齢を重ねるごとに唾液量は減少しているのです
大食いで早食いはNGだそうです
唾液は食べ物を噛むことでも分泌されますが
早食い・大食いは咀しゃく回数が少なくなって唾液量も減少してしまいます
糖尿病 高血糖の状態を抑えるため多くの水分を排出
脱水状態になり唾液量も減少してしまうのです
・唾液量を増やす方法
1 食事のさい噛む回数を増やす
2 ガムをかむ
3 鼻呼吸にする
4 唾液腺マッサージ
5 舌回しなどの舌を動かす体操
6 沢山水を飲む
「耳下腺のセルフマッサージ」
耳たぶの前の窪みに耳下腺という組織があり、そこを軽く
3本指で押さえ軽く10回ほど円を描くようにマッサージしてほぐします
食事の前など1日に4~5回行います
唾液の量が減ると口が乾いてしまい話しづらくなったり
食べ物を飲み込みづらくなります
まれに舌が痛くなるという人もいるようです
唾液が増えると女性にメリットがある ?
唾液とともに一緒に出てくる物質EGF(上皮成長因子)は
肌を修復する働きがあり、皮膚に良い影響を与えてくれるそうです^^
唾液の質
唾液の成分 水分が99.5%ですが残りの0.5%が機能的成分で
100種類ほどの成分が含まれのです
機能的成分の1つで免疫にかかわるIgA(抗体)は
1日に50~100mgほど唾液中に分泌され、
口に入ったウイルスや細菌などにくっついて体内への侵入を阻み
無力化させるので感染防止となります
IgAが少ないと風邪や感染症にかかりやすくなるのです
他にもリゾチーム・ペルオキシダーゼ・ラクトフェリン
消化酵素のアミラーゼ・カルシウム・リン酸などが含まれています
IgAを下げる1番の原因はストレス、食生活、激しい運動
♦唾液の質のセルフチェック
1 朝食を抜くことが多い
2 肉類を良く食べる
3 冷たい飲み物や食べ物をよく摂る
4 飲酒の習慣がある
5 運動不足である
3つ以上あてはまると要注意
腸内環境の悪化、代謝の低下は唾液の質の低下につながります
IgAを増やしてくれるものが判明
それは「短鎖脂肪酸」
腸内環境が整うと多く生成されます
腸内のバリア機能を高めると同時に唾液腺を刺激して
IgAの量も増やしてくれます
唾液の質を高めるには腸内環境を整えることが大切なのです
IgAを増やして免疫力アップにつながる2つの食べ物とは!?
・発酵食品 キムチ チーズ ヨーグルト 納豆等
・食物繊維 きのこ類 海藻類 レンコン ごぼう等
これらを同時に摂ることが大切です
れんこんグラタン
れんこん 150g
ピザ用チーズ 40グラム
麺つゆ 大さじ1 オリーブオイル 大さじ1
※薄切りにしたれんこんをグラタン皿に入れ
麺つゆとオリーブオイルをかけ
ピザ用チーズをのせてトースターで10分ほど焼いて完成
1~2か月くらい食生活を意識すると徐々に効果が出てくるそうです
生活習慣病予防もできる!
唾液の量を増やすことは心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、動脈硬化、敗血症
誤嚥性肺炎、認知症予防、がん予防などにも期待ができるそうです
脳卒中は、脳梗塞や脳出血のような、ある日突然人を機能不全に陥れる脳の病気の総称ですが、
最近になって脳梗塞や脳出血に虫歯菌や歯周病菌が深く関わっていることが明らかになっています。
歯周病菌は、歯ぐきから血液に侵入して脳梗塞をはじめ以下のような病気を引き起こす原因であることが
患者さんの血液を調べて明らかになっています。
唾液の持つ凄い殺菌能力によって歯周病菌などを撃退します
加齢に伴い消化の第一歩となる唾液量が減少すると
消化酵素の分泌量も減ってしまいます
消化酵素が分泌されないと
「お腹が減った」というシグナルが脳に送れなくなり
体重も落ちて低栄養状態となり血管が脆くなり脳出血を起こしてしまうそうです
唾液はほんとうに私たちの身体にとって重要な役割をしているのですね
美味しそうな食べ物がテレビで映し出されると生唾ごっくんになっちゃいます
量は大丈夫かもしれないな(笑)
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