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子宮に発症するがんの種類と原因

子宮とは赤ちゃんの発育の場所ですから女性特有のがんとなります

年々若い世代でも増加している、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんについて、日本婦人科腫瘍学会理事 青木大輔先生のお話です




子宮がん




大きく2つに分けられます

子宮体部 と 子宮頸部 です


子宮体部は 着床した胎児を育てる場所

子宮頸部は 膣とつながり 出産の時胎児が出てくる場所

そういった場所に発症する悪性腫瘍のことを子宮がんといいます

発症場所も原因も違っています

発症率は8対2くらいの割合で子宮頸がんの方が多いようです


子宮頸がん



20代後半~40代で発症することが多い

子宮の入り口(子宮頚部)にできるがんです

最近の研究でHPV(ヒトパピローマウィルス)の感染によって

発症することがわかってきています

ヒトパピローマウィルスはほぼ性行為によってしか感染しない

こともわかってきています

女性なら感染する確率はとても高いです、性交渉の経験のある女性は

生涯で約90%が感染すると推計されています


HPVは男性では、陰茎がん、肛門がん、咽頭がんの原因にもなるウイルスです


HPVは全部で100種類くらいありますが、そのうちの十数種類のハイリスク型と言われるものが子宮頸がんの原因となります


感染したからといってすべての人ががんに進行するわけではありません

ほとんどの人が 免疫力で90%が自然に排除されるからです

およそ10%は排除されずに残り

そのうちのごく一部が細胞を変化させてしまうのです(異形成)


異形成のごく一部が、数年~10数年かけてゆっくりと子宮頸がんとなっていくのです・・・



若い世代に増えてきている背景には

性交渉の若年化があると考えられています



予防の決め手は「HPVワクチン」

2022年4月 HPVクチンの積極的な呼びかけが再開されています

HPVワクチンの最新情報  ←2023年5月の記事です



子宮頸がんの早期発見



症状がなくてもがん検診

子宮頸がん検診の受診率 日本女性の約43%

異形成という異常な細胞が見つかる時期があります、この時期に定期的に健診を受けていれば、がんになる前の段階で診断が可能で、子宮頚部の一部のみを切除またはレーザー照射で治療が可能になります

HPVワクチンが100%の効果があるわけではないので、接種していても子宮頸がんの検診は受けた方がよいようです


子宮頸がんが進行した場合に現れる自覚症状

・月経以外の出血(不正出血)

・性交渉による出血

・茶褐色、黒褐色のおりものが増える

・足腰の痛み

・血の混じった尿


😊私の場合は閉経後の不正出血で発覚、58歳でした

子宮頸がんⅢbとの診断が下されました・・・😭

その頃には右の腎臓辺りが痛かったです

腫瘍が尿管を圧迫していて軽い水腎症になっていたようです

(腎臓で作られた尿の流れがせきとめられて、

尿の通り道や腎臓の中に尿がたまって拡張した状態をいいます)


出血が起こる少し前から兆候はあったのです

水っぽいおりものが多くなっていました

尿の出方も悪いなって感じていました

まさか子宮頸がんとは思いもよらなかったです💦


子宮頸がんの治療



早期がんは手術(子宮は温存、頸部の一部を切除)

進行している場合(子宮全摘出、子宮周囲の組織、リンパ節切除)

少し進行したがんは手術後に放射線や抗がん剤


ステージが進んでいると手術は出来ないようです

私はステージⅢbでしたので、抗がん剤と放射線治療を受けました


子宮頸がんにも発症する部位によって

扁平上皮がん腺がんの2つに分けられます

扁平上皮がんは細胞の採取が比較的簡単に出来るようですが

腺がんは子宮体部に近い所で頸部から奥まった場所に発症するので

細胞の採取が困難なこともあって見つけにくいのです

発見が遅れて進行してしまう場合もあります

そのうえ

卵巣やリンパ節や肺に転移のしやすいがんでもあり

進行が早ければ子宮全摘出となることもあります

治療も扁平上皮がんに比べて困難で再発も多いので

「悪質」かもしれません



 


子宮体がん



 
子宮体がんは、子宮の奥の子宮体部にできるがんです

最近ではその割合も増えて女性のがん全体の中でも

乳がんに次いで2番目に多くなってきているそうです


1995年では4689人でしたが20年後の2015年には14909人と3倍になってきています

現在新たに診断されたのが15000人 死亡2100人(年間)



多い年代は40代以降、50~60代に多い

閉経前後に発症率が高くなることがわかっているようです

しかし最近では20歳代後半以降の女性にも増えてきているそうです

原因は女性ホルモンの乱れ

月経開始が早まる 妊娠・出産回数の低下の影響や

食生活の欧米化に伴う肥満も関係があると考えられています

がんは「中高年の病気」のように思われますが

子宮体がんは閉経前の若い世代にも注意が必要です



子宮体がんの自覚症状



サインは不正出血 ※患者の約9割に不正出血がある

・月経以外の性器からの出血(不正出血)

・閉経後の不正出血

・おりものの悪臭

・おりものが茶褐色、チョコレート状

・30歳以上で長期間月経不順がある

・妊娠、出産経験がない

・肥満(エストロゲンが過剰につくられる)

BMI 27以上では子宮体がんのリスクが2倍近くになる(国立がん研究センターの調査)

・家族や親せきに50歳未満で子宮体がん、大腸がん、胃がん、泌尿器系のがんの人がいる

遺伝性の子宮体がんに注意

リンチ症候群(男女関係なく遺伝する確率50%)

発がんを抑えるミスマッチ修復遺伝子の変異で発病する病気

子宮体がん、大腸がん、胃がん、泌尿器系のがん が起こりやすい

リンチ症候群で子宮体がんが起こる確率は27~71%


遺伝性が心配になったら、遺伝カウンセリング外来、遺伝性腫瘍外来などの専門医に相談しましょう

遺伝学的検査は血液検査で確定診断がされます


リスクが高い人は20~30代から婦人科を受診、大腸内視鏡検査を


子宮体がん治療法



治療は手術が基本

早期であっても子宮、卵管、卵巣を敵出

最近では腹腔鏡手術で身体への負担が軽くなってきています

再発リスクが高い場合は手術後に抗がん剤、放射線治療


進行している場合は、子宮周辺の組織、骨盤の内側のリンパ節も敵出

再発リスクが高い場合大動脈周辺のリンパ節も摘出


早期発見なら8~9割は手術で根治が可能だと言われています

初期から分かりやすい不正出血のサインがあるので、10人中5~6人は早期がんで見つかるようです


抗がん剤の効果があまりよくない場合でも条件を満たせば

免疫チェックポイント阻害薬 ペムプロリズマブ

分子標的薬 レンバチニブ が使えるようになりました




卵巣がん



子宮の左右に1つずつある卵巣(親指の頭位の臓器)に発生するがんです

「卵巣がん」は、卵巣、卵管、腹膜、および一部の原発不明のがんの総称で

30種類以上のタイプがあると推定されています

卵巣がんは早期発見が難しいために進行した状態で見つかることが多く

女性のがんの中では生存率が低いがんです

40歳代から急激に増えます

症状がほとんどなくお腹の中に広がりやすいのが特徴です


年間新たに診断される人は約13000人

亡くなる人は約4700人



5月8日は「世界卵巣がんデー」

2013年に世界の卵巣がん患者会のリーダーたちによって設立


自覚症状 発症しやすい要因




・妊娠、出産歴がない(排卵回数が多いほどリスクが高い)

・40歳以上

・卵巣チョコレート嚢胞ががある(卵巣がんが発生するリスクは約1%)

・血縁者に卵巣がんや乳がん歴がある(約1割に遺伝的要因が関与) 

進行すると

・腹囲の増加、持続的な膨満感

・食欲がない、すぐに満腹になる

・腹痛や骨盤の痛みがある

・尿意が強くなる、回数が増える


卵巣がんと診断された91%の女性がこれらの症状の1つ以上を感じていたそうです

生理不順や消化不良、更年期などにより女性が感じやすい不調ですが

こういった症状が治らずに続くときには卵巣がんの可能性を考えて

婦人科を受診したほうが良いそうです

遺伝性の卵巣がんに注意

血縁者に卵巣がんや、乳がんを発症した人がいる場合はリスクが高くなります


卵巣の敵出

更年期症状 骨粗しょう症のリスクも増えます

精神的に大きな負担を感じる事もある


進歩する卵巣がんの治療法


手術が基本で抗がん剤投与が必要か検討します

進行した場合は抗がん剤の後に手術の場合もあります


ごく早期で、妊娠を希望する場合はがんがある方の卵巣と卵管だけを敵出することもありますが、一般的には両方の卵巣と卵管、子宮も摘出します

さらに進行している場合は、リンパ節、腸の一部も切除することもあります

手術後は抗がん剤で再発防止、残ったがんを小さくします

分子標的薬 血管新生阻害薬 

PARP阻害薬(遺伝子変異のある卵巣がんに高い効果があります)



体は異変を伝えくれているのですが、見逃してしまう事が多いものです。体からのサインに気をつけたいですね^^





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